2007年11月13日

ジョン・レノンの最高傑作は?

 ひきつづいて中山康樹の『超ビートルズ入門』を読んだ感想です。
 まず当初の目的の、どのアルバムを揃えれば全部の曲が聴けるかという点を調べたのですが、結果からいえば、現在ビートルズの曲をすべて聴くには、オリジナル・アルバムのほかに『パスト・マスターズ Vol.1 / 2』という二枚のコンピものを聴けば揃うようです。(『アンソロジー』のシリーズが別にありますが)
 しかし、この『パスト・マスターズ』という二枚も、私感でいえば落ち穂拾い以上の意味はかんじられないコンピですね。収録曲をみてみると、これらの曲をこの順序で聴きたいかといわれると、はっきりいってそうはおもえなかったりします。アルバム未収録の曲を集めたんでこうなったのは理解しますが。
 ともかく、近くの TUTAYA へ行ったらオリジナル・アルバムはもちろん、この『パスト・マスターズ Vol.1 / 2』も揃っていたので、わりと簡単にビートルズのオリジナル音源はぜんぶ聴けるとわかり、さっそく何枚か借りてきました。

 さて、この『超ビートルズ入門』を読んでなるほどと思った点と、あまり同意できない点を書きます。
 まず、なるほどと思った点。それは、ジョン・レノンの最高傑作は『ア・ハード・デイズ・ナイト』であるという指摘です。
 たしかにそう言われれば、そうかとおもいました。
 といっても個人的には『ジョンの魂』を強く推したいのですけど、たしかにあれはビートルズのジョン・レノンというキャラクターを前提として初めて存在する作品だといわれれば、そういう部分もあるかもしれないという気がします。『ダブル・ファンタジー』も、ジョンの曲だけ選んで並べて聴けば、ジョン・レノンというキャラクターを前提としなくても聴ける、いい曲の多い優れたアルバムだとおもいますが、たんにアルバムが作品として優れているというだけでなく、ジョン・レノンという人の勢いの頂点という意味も含めていえば、やはり『ア・ハード・デイズ・ナイト』の頃のジョンが一番凄かったんじゃないかというのは、納得できる指摘です。
 ぼくはビートルズは後から一気に、順番もめちゃくちゃに聴いたもんで、この頃はジョンに勢いがあり、この頃はポールがすごかったなんていうことはまったく考えずに聴いていたのですが、たしかにそういう点を注意して見てみると、ビートルズの初期、『ア・ハード・デイズ・ナイト』を頂点とするあたりはジョンの個性がビートルズをリードしていて、それが後期に入った頃には精彩が失われるのがよくわかります。

 続いて、あまり同意できない点です。
 さて、この『超ビートルズ入門』、ビートルズの入門者が聴くべきアルバムの順番が紹介されているんですが、ぼくはまったくこの順序に賛成できませんでした。
 これは、リスナーがビートルズがリリースした曲をすべて聴くことを前提として、聴くべき順序を紹介しているんですが、はたしていままでビートルズを知らなかったリスナーで、最初からビートルズのアルバムを全部聴こうと決めてから聴きはじめる人なんて、そんなにいるもんなんでしょうか?
 ふつう、まず良さそうなものから聴いてみて、気に入ればその次、その次と聴いていって、結果的に全部聴くことになるかもしれないし、途中で飽きるかもしれないっていう聴きかたのほうが正常じゃないでしょうか。
 筆者はビートルズを聖域にするなというのですが、そのかわりにビートルズをお勉強の対象に化そうとしているように感じます。つまり、まずビートルズの全体像を掴もうなんて、受験勉強でビートルズを聴くような発想で、落ち穂拾いの寄せ集めでしかない『パスト・マスターズ Vol.2』や、『マジカル・ミステリー・ツアー』のようなアルバムから聴かせようとします。そして結局は『アビー・ロード』より先に『レット・イット・ビー』を聴かせたがるのです。
 でも、こういう場合、紹介者っていうのはビートルズのいちばんおいしい部分を紹介するのがつとめなんじゃないですかね? だいたい『レット・イット・ビー』が一番売れてるなんていうのは、みんなビートルズのアルバムでどれがいいのかわからないんじゃないですか?
 ビートルズのアルバムでどれが傑作かというと、評論家はみんな『サージェント・ペパーズ……』をホメますけど、あれって本当にそんなにいいアルバムですかね? サウンド作りが革新的だったことは認めますけど、曲の点からいうとビートルズのアルバムのなかでは、そんなに親しみやすい名曲がそろってるアルバムじゃないですよ。少なくとも初心者にビートルズのアルバムを全部聴かせたら、あれが一番いいと第一印象でおもう人って案外少ないんじゃないですかね。
 ビートルズの入門書を書くなら、どれがいいアルバムかを紹介して、それを勧めるべきなんじゃないですかね。

 といったところで、この項はまだつづきます。
posted by aruka at 22:45| Comment(0) | TrackBack(0) | ポピュラー音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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