2007年10月25日

(題詠100題2007観賞)013:スポーツ


傷ついたクラゲみたいにせつないよスポーツジムのプールに浮けば  (暮夜 宴)


少年の日のさみしさよ海へゆくこのまっ白なスポーツカイト     (坂本樹)




 この題もあまりいいとおもう作品がありませんでした。やはり書きにくい題だったんじゃないでしょうか。無理やり読み込んだ感をかんじるものも多かったです。それでも2つ選んでみました。
 暮夜 宴さんの作品。
 書いてはいないのですが、時刻は夜なのかと勝手に想像しました。というのも、闇のなかでプールにぷかぷか浮いている、周囲に触れたり見える確かなものがなにもない状態というのは、人間にとってもっともよるべない状態らしいです。
 幻覚を見る実験というのもありまして、闇のなかでプールに浮いていると人間はほぼ確実に幻覚を見るのだそうです。感じられるものが何もない、脳に情報が入力されてこない状態に置かれると、脳は勝手に幻覚をつくりだしてしまうのだそうです。そんな人間にとってもっともよるべない状態を「傷ついたクラゲ」と表現したところにおもしろさをかんじました。
 坂本樹さんの作品はいいとおもうのですが、意味がとりにくいです。さいしょ「スポーツカイト」が「海へゆく」ということで、スポーツカイトの糸が切れて風に流されて海の遠くに落ちていくというイメージかとおもったのですが、そうすると「この」はおかしい気がします。たんに少年がスポーツカイトをもって海へ行くということなんでしょうか?
 最初のイメージでとるとすると、海の遠くへ落ちていったまま二度と少年の手に戻ってこないスポーツカイトが、そのまま二度と戻ってこない少年の日々のイメージと重なるいい作品だとおもったのですが、でもやっぱり「この」はおかしいな。

posted by aruka at 21:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 題詠100題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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