2007年05月09日

ノックス『閘門の足跡』『サイロの死体』

 ノックスといえば『陸橋殺人事件』の人……というふうにずっと思っていました。いまになってみるとどこでそうおぼえたかも定かじゃないんですが、何となくノックスといえば『陸橋殺人事件』が、ほぼ自動的に名前が出てくる代表作じゃないかと。
 でも、今回、『閘門の足跡』と『サイロの死体』を続けて読んでみて、そもそも何で『陸橋殺人事件』がノックスの代表作とされることになったのか、そっちのほうが謎になりました。
 まあ、『陸橋殺人事件』もあれはあれでおもしろいとはおもいます。でも、どう見たって『閘門の足跡』や『サイロの死体』のほうが段違いに優れています。ぼくはこれらを読んでノックスってこういうミステリを書く人だったのかと目を開かれるおもいがしました。
 ただ、ちょっと翻訳紹介がしにくい人だったのかなという気はしました。これは丁寧に訳されて、丁寧に読んでいかないとおもしろさが伝わらない、抄訳なんかでは絶対無理なタイプの人でしょう。
 それは、エラリー・クイーンのような解決編がおもしろいタイプではなく、推理していく過程がおもしろい人だからです。
 クイーンであれば途中はいい加減に読みとばしても解決編をきちんと読めばおもしろさがだいたいわかるのに対し、ノックスの場合、そんな読み方ではいちばんおいしい部分を読みのがしてしまいます。
 それにしても黄金時代の本格ミステリにはまだまだ金脈が残っていそうで、翻訳が順調にすすんでいるのはうれしいばかりです。
posted by aruka at 02:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 本、小説、マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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